経済

ダイムラー、シーメンス、ポル シェ、ルフトハンザ、SAP。 ドイツ企業の評判は世界でも非 常に良い。それらは高級品の印 として世界中で尊敬されている 「メイド・イン・ジャーマニー」 の代名詞であり、イノベーショ ン、高品質および技術的先進性の証である。

経済拠点としての ドイツ

ドイツは世界でもっとも高度に発展した工業国のひとつであ り、その国民経済はアメリカおよび日本に次いで第3位の規 模である。また、人口8230万人のドイツは欧州連合(EU) 内で最大かつもっとも重要な市場でもある。2009年のドイ ツの国内総生産は2兆4072億ユーロで、1人あたりでは 2万9455ユーロということになる。この実績はとりわけ貿 易によるところが大きい。輸出額が9690億ユーロ(2007年) と国民総生産の3分の1に相当するドイツは世界最大の輸出 国であり、「輸出の世界チャンピオン」と呼ばれている。 またドイツは、他に類のないほど、経済面でグロー バルな広がりをもつ国であり、他の国以上に世界経済に組み込まれている。収入の4分の1以上が商品やサービスの輸出 によって獲得され、雇用の5分の1以上が貿易と結びついて いる。 ドイツの主要な経済の中心地は、ルール地方(工業地 域、ハイテク・サービス・センターに移行中)、ミュンヘ ン・シュトゥットガルト圏(ハイテク、自動車)、ライン・ ネッカー(化学)、フランクフルト・アム・マイン(金融)、 ケルン、ハンブルク(港湾、エアバス航空機製造、メディア)、 ベルリンおよびライプツィヒである。

多くの分野で技術を主導

将来性があり、成長率が高い多くのテクノロジー分野でも ドイツは主導的地位にある国のひとつである。具体的には、 バイオテクノロジー、ナノテクノロジー、情報技術、そして各産業部門(バイオメトリクス、航空・宇宙、電気工学、 物流)の多くのハイテク領域が挙げられる。ドイツの環境 技術(風力エネルギー、太陽光発電、バイオマス)も世界市場で良好な地位を占めていて、風力発電設備メーカーは 50%のシェアを有している。情報通信技術は、自動車と電子技術・電子産業に次ぐ第3の経済領域である。バイオテクノロジーと遺伝子技術では、ドイツはアメリカとならぶ最大の拠点であり、またナノテクノロジーでは、 ドイツは多くの分野で最先端を走っている。

しかし、ドイツ経済の国際競争力の基礎を成すのは、 シーメンスなどの大企業だけではない。数万社に及ぶ製造 業の中小企業(従業員500人以下)もドイツの競争力を支えており、特に機械製造業、下請け産業、あるいは、クラスターを形成することが多いナノテクノロジーやバイオテ クノロジーといった将来性のある成長産業の中小企業がこれにあたる。中小企業全体では大多数の2000万人以上を雇 用し、また若者たちの職業教育の場となっているのも圧倒的に中小企業である。

主要産業分野

自動車産業、機械工業、電機・電子産業、化学産業、環境技術、精密機械工業、光学、医療技術、バイオテクノロジーと遺伝子技術、ナノテクノロジー、航空宇宙産業、物流

工業は、全輸出の87%を占め、貿易の原動力となっている。 主要工業部門としては、自動車製造業、電子産業、機械製 造業、化学工業がある。この4部門だけでおよそ288万人が 働き、7670億ユーロを売り上げている。西側工業国すべて と同じように、ドイツの工業分野でも近年その構造に変動 が起こっている。鉄鋼業または繊維工業のような伝統的工 業には、販売市場の移動や低賃金国からの追い上げなどに より、規模が著しく縮小した部門がある。また、医薬品工 業のように買収や合併により外国企業の所有となるような 例もある。それにもかかわらず、依然として工業はドイツ 経済のもっとも重要な柱であり、イギリスやアメリカのよ うな他の工業国と比べると、その裾野は広い。800万人の 人々が工業関連の会社や事業所で働いている。

自動車製造業が最強の業種

ドイツの主要業種に数えられるのは自動車製造業である。 被用者の7人に1人がここで働いていて、輸出の17%がこ の業種によるものである。フォルクスワーゲン、アウディ、BMW、ダイムラー、ポルシェおよびオペル(ゼネラル・ モーターズ)という6メーカーをかかえ、ドイツは日本、 アメリカと並ぶ世界最大の自動車生産国である。ドイツの 工場では毎年ほぼ600万台の新車が生産され、これに国外 で生産される550万台のドイツ・ブランド車が加わる。「メ イド・イン・ジャーマニー」の車で、顧客が高く評価する のはその技術的イノベーションである。近年はどの自動車 メーカーも、新世代ディーゼルエンジン、ハイブリッド駆 動、ドライブ・トレインの電子化の推進など、環境に配慮 した駆動に力を入れている。

革新的で国際的な電子と化学

電機・電子産業の企業は、電子機器や測定機器からチップ の製造にいたる幅広い分野で活動している。この分野における投資の積極さは、研究費の高さにあらわれている。研究投資は2006年には94億ユーロに達した。シーメンスだけで2006年に1500近い国際特許を出願しており、これは世界第3位にあたる。化学工業も看板部門であり、積極的に先行投資をおこなっている。世界最大の化学コンツェルンのBASFは、ルートヴィッヒスハーフェンにある。

ドイツへの投資

ドイツは国外投資家にとって魅力的な投資先である。世界のトップ企業500社も含め、総計すると4万5000の外国企業がドイツに拠点をおいている。対ドイツ直接投資額は6300億ドル(2007年)である。

インフラストラクチャー

ドイツのインフラストラクチャーは高度に発達し、ダイナミックに成長している。鉄道網4万1000 km、道路網23万km。世界でも最先端の通信インフラが整備されている